【種目別選手権のメダルを手にする安里さん】

磨いた技 着地も安定

 6月に東京都で開かれた「第76回全日本体操種目別選手権」で、相好体操クラブ伊賀教室(三重県伊賀市服部町)所属の安里圭亮さん(29)が跳馬で初優勝を果たした。種目別の日本一を決める同選手権での優勝は同クラブとしても初の栄誉で、「何度も挑戦してきた舞台。長くかかったが、ようやく結果が出せた」と喜びをかみ締めている。

 沖縄県出身の安里さんは、2016年に福岡大を卒業後、同教室で子どもたちを指導しながら選手生活を続けている。得意の跳馬を磨き続け、種目別選手権では入社した16年に3位、20年に2位となるなど、国内の上位をキープしてきた。

 8回目の出場となる今大会は、予選・決勝とも、1本目に「ロペス」(伸身カサマツ2回ひねり)、2本目は、成功させた選手が世界的に少なく、自身が以前から磨き上げてきた高難度の技「リ・セグァン」という組み合わせで臨んだ。予選は着地が安定せず4位にとどまったが、上位8人が進む決勝では2本とも着地をまとめ、難度・出来栄えのポイントを合計した決定点は出場選手中唯一の15点台をマークした。

一瞬の勝負

 助走の開始から着地まではわずか5、6秒と、体操競技の中で演技時間が最も短い種目だが、「一瞬で決まる勝負なので、立て直すのが難しい」という。昨年は足の負傷でほとんどの大会に臨めず、今年は4月になってようやく実戦に復帰したばかり。2年後に迫ったパリ五輪のメンバー入りはもちろん、「リ・セグァン」を屈身状態で行う新技を国際大会で成功させ、自身の名前を付けることも目標に据えている。

2022年7月16日付823号4面から

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