【昨年の発掘調査で掘立柱建物跡が見つかった薦生遺跡、人の立っている所が柱跡(県埋蔵文化財センター提供)】

 縄文時代から戦国時代までの名張市の歴史を出土品や解説パネルとともに紹介する「第41回三重県埋蔵文化財展『いにしえの名張』」が7月20日から8月31日まで、市郷土資料館(安部田)で開かれる。無料。

文化財展のちらし

 県埋蔵文化財センターと市教育委員会の共催。同市薦生の名張川左岸の段丘上にある「薦生遺跡」の発掘調査では昨年、約1300年前の奈良時代の役所に関わるとみられる大型掘立柱建物跡などが確認された。このことなどをきっかけに、同市での初開催が決まった。

 展示は「名張のあけぼの」「稲作から古墳出現前後の時代」「美旗古墳群の時代―ヤマト王権の東の玄関口―」「東国への回廊」「黒田荘と悪党の時代」「天正伊賀の乱と名張」の6章構成で、市内を中心とする出土遺物約300点、遺跡約50か所を取り上げる。

 薦生遺跡については、由緒や発掘成果などをパネルで紹介する。県道の改良工事に伴い、昨年度と今年度で合わせて計約2700平方メートルの発掘調査が進められており、今後の新発見も期待されている。

 同センター活用支援課長の穂積裕昌さんは「名張は平城京と伊勢神宮とをつなぐ最短ルートにある。掘立柱建物跡は道沿いにあり、行き交う人々が立ち寄った施設かもしれない」と話す。

 展示と合わせて講演会もあり、7月30日午後1時30分からは「いにしえの名張をひらく」と題して穂積さんが、8月20日午後1時30分からは「名張の古墳とヤマト王権・渡来人」と題して髙松雅文さん(同センター職員)がそれぞれ解説する。

 事前申し込みが必要で、7月28日までに電話(0596・52・7034)または電子メール(maibun@pref.mie.lg.jp)で希望日、氏名、住所、電話番号を添えて申し込む。メールの場合は件名を「埋文展講演会」とする。定員は各回50人で、先着順。

 問い合わせは同センター(0596・52・7034)まで。

2022年7月16日付823号13面から

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