【練習の様子=伊賀市治田で】

伊賀市拠点に活動

 7月18日から東京ドームで開かれる社会人野球の全国大会「第93回都市対抗野球大会」(日本野球連盟、毎日新聞社主催)に、近畿地区第3代表として出場する「ミキハウス硬式野球部」(大阪府八尾市)。選手たちは三重県伊賀市治田にある同社物流センターに勤務しながら、隣接するグラウンドで練習に励む。伊賀地域からの声援も背に受け、悲願の「都市対抗初勝利」を目指して汗を流している。

チームを支える栗山投手(ミキハウス硬式野球部提供)

 本拠地は八尾市だが、1995年の創部以来、活動拠点は変わらず伊賀の地だ。活動休止やクラブチーム化を経て、18年末に企業チームとして再出発し、4年目を迎えている。選手は21歳から33歳までの31人が在籍し、過去には日本プロ野球機構(NPB)に吉崎勝投手(元日本ハム、引退)、萬谷康平投手(元横浜DeNA、同)らを輩出している。

 選手としても在籍した陣田匡人監督(43)が昨年6月から指揮を執る。目立った長距離打者はいないが、大西友也主将(28)を中心に粘り強い守備からペースをつかみ、チーム最年長コンビの栗山拓巳投手、昨年移籍加入した高橋康平投手ら投手陣が試合を作るのが持ち味だ。

 創業50周年を祝うように初出場をかなえた昨年は、1回戦で優勝チームの東京ガス(東京都第1代表)と対戦。3点リードされた展開から適時打2本で肉薄するも、終盤の好機で1点が遠く、あと一歩で惜敗。陣田監督は「東京ドームで試合ができるうれしさを皆が味わい、『次は勝ちたい!』と目標が1段階上がった。続けて出てこそ価値がある」と気を引き締める。

チームを支える高橋投手(ミキハウス硬式野球部提供)

会社の一体感

 大舞台で手応えを得たからこそ、選手たちには生活態度や仕事・練習への姿勢にさまざまな変化がみられ、加えて野球部員と社員との交流も深まり、会社としての一体感も醸成されたという。「スターはいないが束になって力を発揮する、そんなうちらしさが出てきた」と陣田監督と大西主将は口をそろえる。

 近畿地区予選では第1代表決定戦まで勝ち上がりながら足踏みしたが、第3代表決定戦で日本生命に11‐5で勝利。22日(金)に東邦ガス(名古屋市)との1回戦を控え、大西主将は「大きな舞台でも普段通りのプレーを心掛け、先制してペースを握れるような展開に持っていきたい」と抱負を語った。

2022年7月16日付823号4面から

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