【でっちようかんの材料をカップに注ぐ児童=名張市梅が丘北1で】

 三重県名張市内の小中学校が取り組んでいる郷土学習「なばり学」の一環として、同市梅が丘北1の市立梅が丘小(森永美紀子校長)の6年生44人が7月5日、地元の和菓子店主から「でっちようかん」作りを教わり、材料の混ぜ合わせなどの工程を体験した。

 この日の講師は、同市栄町で和菓子製造・卸売業「永尾製菓舗」を営む永尾幸三さん(47)。関東の和菓子店で計9年間修業した後、8年ほど前に地元へ戻り、家業を継いだ。授業の冒頭、永尾さんは児童らを前に「皆さんに文化を伝えていくのも和菓子店の仕事。こうした機会を設けて頂き感謝している」と思いを語っていた。

児童らに工程を説明し実演する永尾さん(左から3人目)=同

 児童が体験したのは通常の工程を簡略化した流れで、最初に永尾さんが実演。粉寒天を鍋で煮溶かして水を加え、砂糖を入れてこしあんを加え、へらで混ぜながら冷ましてカップに注いでいくもので、8つのグループに分かれて取り組んだ児童たちは、混ぜる際の火加減や粉寒天の溶き方などに注意しながら10カップずつ仕上げていった。

 出来上がったでっちようかんは、この日の給食後に食べたそうで、体験を終えた男子児童は「あんを入れて固まるまでの温度を見守るのが難しかった。地元のお菓子のことをもっと知ってみようと思った」と感想を話した。永尾さんは「味も見た目も大切だが、おいしく感じるかどうかは人それぞれ。毎日『安全』を第一に和菓子作りをしている」と児童らに伝えていた。

- Advertisement -