三重県伊賀市柘植町の会社員、松本真穂さん(28)が創作する丸っこくて可愛い人形の材料は発泡スチロール。カラフルでポップな作品は、見ているだけで元気が出ると人気だ。
上野高校から進学した三重大学で、サークル活動の「人形劇団つくし」に入ったのがきっかけ。勧誘時に先輩たちが持っていた、丸々とした人形の姿に一瞬でほれたという。劇団ではオリジナルの物語から台本を起こし、人形も自分たちで作って上演する。裁縫は苦手だったが、先輩から語り継がれたノウハウで手作りし、津を始め、亀山、伊勢市内でボランティア公演を続けた。
昆虫や鳥も
3年生では劇団の代表も務め、4年生では学科の卒業制作展のため、新たに制作した人形100体を県立美術館(津市)に展示し、来場者が手に取って楽しめるようにした。
全ての人形たちの素材となるのは、10センチ四方のキューブ型の発泡スチロール。やすりなどで削って原形を作り、上から伸縮性のあるジャージー生地を伸ばしながら貼っていく。可愛くゆらゆら揺れるようにと、手足の先にはビー玉を入れている。人形だけでなく、テントウムシなどの昆虫や動物、鳥なども制作した。
初参加イベント
就職後は創作活動から遠ざかっていたが、今年になって「人形たちの可愛さと魅力を知ってもらいたい」と、7月3日に市文化会館(西明寺)で開催されるイベント「キレイアートフェスタin伊賀市文化会館」への出展を決めた。
当日は「たからぶね」という作家名で約30点を出品する予定で、卒業制作で作った人形の他に、車などの新作も並ぶという。「人形作りはこれからも楽しみたい」という松本さんは「初参加のフェスタではいろんな人に見てもらいたい」とニッコリ。
2022年6月25日付822号6面から
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