【4月に伊賀市であった野球大会でアナウンスを担当する西條さん】

「関われてうれしい」

 「いつだったか、私のアナウンスを『甲子園ぽいね』と褒めてくれた人がいた。好きな野球にこういう形で携われてうれしい」。三重県伊賀市希望ヶ丘の地方公務員、西條佳子さん(37)は十数年前から、伊賀地域や近隣で開かれる三重県軟式野球連盟の公式戦や学童野球の大会で場内アナウンスを担当している。

 幼少時から家族でひいきのチームを応援するためにプロ野球をテレビ観戦することは多かったが、学生時代はスポーツ系のクラブ活動とは無縁だった。社会人1年目、マネジャーを探していた職場の野球チームの先輩に誘われ、練習や試合などの活動を支えるようになった。

 「最初のころのアナウンスは間違う箇所も多く、試合に水を差したと感じることもあった」が、放送要領を基に先輩や連盟役員らから少しずつ教わり、度胸もついてきた。選手紹介や交代時の周知、観客への注意喚起など、1試合2時間前後の間はプレーの合間に絶えず何らかのアナウンスが入るため、集中力や忍耐力も必要だ。

 2021年の三重国体でも軟式野球競技の会場アナウンスを担当する予定だったが、新型コロナの影響で中止に。「全国のいろんなチームの試合に関わりたかった」と残念がるが、事前の講習会で要点や注意点などを再確認できたことは今後へのモチベーションにもなったという。

 選手でも審判員でも、観客でもない立場でバックネット裏から試合を見つめるようになり、こんなことにも気付いた。「大会の役員、スタッフ、出場チーム関係者の誰もが『野球が大好き』なんだ」。「スポーツは、やれば面白いんだろうな、とは思っていたけれど、きっかけが無かった」という西條さんが、今は野球を愛する人たちの一員として、グラウンドの選手たちを優しく見つめている。

2022年5月28日付820号2面から

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