【ポスターを手に来場を呼び掛ける寺元さん】

 三重県の伊賀地域を拠点に活動する陶芸家20人による「伊賀陶芸会」が、6月15日から19日まで、伊賀市上野丸之内の史跡旧崇広堂で50回目の記念展を開く。1973年の第1回から約半世紀、例年のような展示販売会だけでなく、先人を顕彰し、「これから伊賀の地でどんなものができていくのか」という可能性を感じさせる場にするべく、会員たちは準備に励んでいる。

 歴史ある窯元の後継者や、創作環境を求めて近隣府県から移住し築窯した人など、年齢層は30代から80代まで幅広い。「会が半世紀続いてきた意味を伝える催しにしたい」という小島憲二会長(69)(同市丸柱)の思いは、記念展のポスタービジュアルにも現れている。作品そのものやイメージではなく、土を練る手の躍動感に「何ができるんだろう」という期待感を込めたものだ。

 今回は会員たちの作品はもとより、「先人に学ぶ」と題し、現代の伊賀焼の礎を築いた岡森章さん、坂本瀧山さん、谷本光生さん(いずれも故人)の作品も展示し、会の歩みを振り返る。午前10時から午後5時(最終日は同4時)まで。19日午後2時からは、郷土史家の岡森明彦さんを囲み語り合う座談会(参加自由)を開く。入場無料。

 事務局の寺元篤さん(47)(同岡田)は「さまざまな活躍をみせている陶芸家たちの個性を知ってほしい」、小島会長は「世界に通用するクリエイターとして、子どもたちに憧れてもらえる存在になっていけたら」と思いを語った。


呈茶イベント

 18、19日には、同会会員が制作した茶器を使い、上野・伊賀白鳳高の茶道部員が抹茶と生菓子でもてなす呈茶イベントが同会場で開かれる。

 両日とも午前10、同11、午後1、同2時の計8回で、定員は各回8人(申込先着順)。呈茶料400円。会場挿花の協力は伊賀華道協会。

 申し込みは伊賀市文化都市協会(0595・22・0511)へ。

2022年6月11日付821号11面から

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