【上野市駅前をスタートする参加者たち=伊賀市上野丸之内で】

 医療従事者やがん研究への支援となる募金、検診による早期発見・治療の重要さを呼び掛けながら三重県内の全29市町を巡る「生命(いのち)の駅伝」が、5月15日から開かれている。新型コロナウイルスの影響で2020年11月以来1年半ぶりの開催となり、5月20日朝には男女11人の市民ランナーが伊賀市から名張市へ向け出発した。

 がんで右足を失った後もがん治療の研究資金を募るために走り続けたカナダの青年の遺志を継ぎ、1995年に松阪市で始まった「テリーフォックスラン」が前身で、14年前に「生命の駅伝」と改称し、今年で28回目を迎えた。前もって各市町の公共施設や医療機関などに設置していた募金箱を回収し、がん検診の大切さを訴えている。

 実行委員やランナーらは同日午前9時前に上野市駅前広場(伊賀市上野丸之内)に集合。出発に先立ち、同駅伝実行委員会代表を務める松阪市の上村眞由さん(79)が「ランナーは健康の象徴。病気の人たちを応援する気持ちを胸に、皆で一緒に走れることを誇りに思う。これからも一緒に頑張ろう」とあいさつし、ランナーたちは、力強い筆文字で「命」と書かれた黄色の旗を携え、同9時15分ごろにスタートした。

出発前に上野市駅前で記念撮影する参加者とスタッフら=同

 同日は岡波総合病院、伊賀市役所、上野総合市民病院、名張市役所、寺田病院を経て、名張市立病院までの約30キロを予定。その後、29日までの計12日間で計300キロ以上を走る。寄せられた募金は、三重大学での研究活動などに充てられる予定。

- Advertisement -