【巣の上で親鳥に餌をねだるひなたち=名張市上小波田で】

高さ50センチの巣 上小波田の竹中さん方

 タワーマンション建設中? 住人はツバメだった―。三重県名張市上小波田の竹中恒雄さん(82)方に、縦長のツバメの巣がある。通常はお椀型だが、上へ上へと継ぎ足すうちに高さ約50センチ、幅約20センチになった。今年も親鳥がせわしなく付近を飛び回り、顔をのぞかせたひな6羽がすくすく育っている。

ひながかえる前に巣を見上げる竹中さん

 巣は玄関の引き戸と軒先の間にある壁の玄関側にあり、屋外側からは見えない。竹中さんによると、45年ほど前からこの場所に巣が作られていた。産み育てるに理想の物件なのか毎年同じ場所に営巣し、いつしか天井に向け伸びていったという。

 今年は3月中ごろに親鳥が飛来。泥やわらを運び込んで頂部をリフォームした後、4月末にひながかえった。竹中さんは「近所の人から珍しがられる。天敵にも見つからず安心なのだろう。今年も元気に巣立ってほしい」とほほ笑んでいた。

 日本野鳥の会三重会員の田中豊成さん(71)によると、日本ではツバメ、イワツバメ、コシアカツバメ、ショウドウツバメ、リュウキュウツバメの5種類を見ることができる。リュウキュウツバメは古い巣の上に新たな巣を積み重ねて作るが、竹中さん方にいるのはツバメで、巣の材料や幅もリュウキュウツバメと異なるという。田中さんは「ツバメがこんな巣を作るのは初めて見た。とても不思議」と驚いていた。

2022年5月14日付819号1面から