初夏の楽しみ、今年も―。三重県伊賀市山出の中西浅男さん(82)が自宅の庭で世話しているエビネランが、今年も見頃を迎えた。庭石や植木に身を寄せるように、白、黄、ピンクなど色とりどりの花がかれんな姿をみせている。
エビネランは日本各地に自生するランの一種で、地下の根茎がエビのように見えることからその名が付いた。単に「エビネ」とも呼ばれ、さまざまな園芸品種が開発されている。
顔そろえる四季の花
自宅を構えた約50年前、実家のある大分県で入手した株を鉢植えにしたのが始まり。風通しの良い半日陰が適し、花が終わった後に追肥することで次の花の付き具合が変わってくるなど、気を付けることは多いが、それほど手間がかかるわけではないそうだ。
長年、土木工事を生業としてきた中西さんは、庭も自身で造り、エビネランの他にもボタンやテッセン、シャクナゲなど四季の花々が顔をそろえる。妻の萩子さん(74)と一緒に畑で野菜を育てながら、中西さんは初夏に訪れるエビネランとのひとときを静かに楽しんでいる。
2022年5月14日付819号8面から
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