三重県伊賀市は4月15日、市内の医療機関2か所で実施した新型コロナウイルスワクチンの3回目接種でミスが発生したと発表した。2件とも14日に判明した。市ワクチン接種推進課によると、対象者は最大で70人を超える可能性があるが、現時点で特別な体調変異などの報告は入っていないという。

 1件は4月4日の発生で、市内の診療所が15歳と13歳の兄妹に本来なら使用できないモデルナ社製ワクチンを接種した。2人は接種から1、2日間、発熱などの副反応が出たが、現在は特別な体調異変は認められないという。

 ワクチン接種で余剰分が出たため、同診療所職員の家族が2人に連絡し、接種を受けさせた。12歳から17歳の3回目接種については法改正で使用するワクチンはファイザー社製のみとなっているが、この診療所では12歳から17歳の3回目接種は実施しておらず、院内で周知できていなかったという。

 もう1件は3月31日から4月12日の間に発生。市内にある別の診療所が市から冷蔵配送されたワクチンを誤って冷凍保存する不適切な管理をし、その一部を使用していた。現在、診療所で対象になる12歳以上の約70人に連絡し、体調の異変などがないか確認している。

 同課によると、厚労省の手引きでは冷蔵配送したワクチンの再凍結は厳禁とされており、市でも配送時に使用する保冷ボックスに温度が2度から8度の冷蔵庫で保管するよう記載していたという。対象者には全員、ファイザー社製を接種した。希望者には抗体検査を実施し、必要な場合は再接種するとしている。

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