【自宅の工房で作品を手にする横山さん=伊賀市蓮池で】

 「子どものころから、思っていることが形になるものづくりが楽しくて」。三重県伊賀市蓮池の横山隆一さん(72)は約半世紀、趣味で家具や小物などの木工細工を続けている。

 子どものころから木材や道具類は身近にあり、社会人になってからも時間があれば木工細工に取り組んでいた。20歳のころ、近所の年配者から「本棚を作ってくれないか」と頼まれたのが本格的に始めるきっかけになった。その後、趣味を知った知人から鏡台や写真立て、小物入れなどの制作を依頼されることもたびたびあり、退職し現在に至るまで続いている。

木工作業の指導も

 十数年前には、大山田温泉さるびの(同市上阿波)での子ども向け木工教室へボランティアで教えに行ったり、「まちかど博物館」にも登録したりし、広く自身の特技を披露。現在も希望者には木工作業の指導もし、年配者らが習いに訪れているという。

 材料は、木目が奇麗で彫刻などの装飾加工がしやすく、特に自身が好む透かし彫りの加工にも向く、香りも独特なクスを用いる。塗装も木肌の表情が生きるつや消しのオイルフィニッシュ加工が多いそう。「まだまだ作りたいものがたくさんある。これからは特に、たくさん集めたテーブル用の木でいろいろな作品を生み出したい」と意欲的に語った。

2022年3月26日付816号11面から

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