【作品を披露する岡本さん=伊賀市山出で】

 三重県伊賀市山出の岡本忠美さん(80)が趣味で作る押し花。自宅には庭で育てた花を使った緻密な作品が額縁に飾られ、訪れた友人たちからは驚きの声が上がっている。

 カントリードールやパッチワークに30年以上熱中するなど幼いころからものづくりが好き。押し花の制作は11年前、市内の展示会で見た作品に魅了されたことがきっかけで、月に1回、自宅に講師を招いて作業に没頭した。

 制作は、種を植えるところから始まり、切った花に重りを載せて2週間ほど乾燥させる。広げた和紙に花を並べ、1枚の絵のように仕上げるそうで、色合いや全体のバランスに一番気を使う。

 「さまざまな種類がある」というガーベラやクリスマスローズがお気に入りだが、ナスの皮で髪の毛を表現した人物画、ゴボウの皮を木に見立てた風景画のような作品もある。数ある押し花の中でも、イチゴの表面を使った作品は、水分を抜くのが難しく「苦労した」と笑う。

 孫の結婚式で飾ったウェルカムボードや年賀状、記念写真にも押し花を添えるという岡本さんは「何より美しくて可愛い。最近は山野草を使った押し花にも挑戦している」と笑顔を見せた。

2022年3月26日付816号8面から

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