【芭蕉翁生家入口前でテープカットする様子=伊賀市で】

 2018年4月から4年間休館していた三重県の伊賀市上野赤坂町にある「芭蕉翁生家」で3月30日、保存改修工事の完了を祝う記念式典があった。4月1日から施設の公開を再開する。

 市によると、同施設は松尾芭蕉が30歳ごろまでを過ごした家のあった場所として1955(昭和30)年に市有形文化財(史跡)に指定。旧上野市が購入し、同年に芭蕉翁顕彰会へ譲渡した。老朽化による保存改修と耐震補強の工事は総事業費が約1億7500万円で、2020年4月から今年2月までの2年の期間を要した。

句会や勉強会などに利用できるようになった主屋の和室=同

 施設はいずれも木造平屋建ての主屋(延床81・65平方メートル)と角屋(同49・58平方メートル)、釣月軒(同9・91平方メートル)、土蔵造2階建ての蔵(同29・74メートル)の建物4つ。町屋造りの主屋には広さ20畳の三間続きの和室があり、釣月軒は芭蕉が句集「貝おほひ」を編さん・執筆した場所とされる。

 式典で岡本栄市長は「外からも中に入っても今までの危うさが見た目にもなく、シャキッとした感じに戻った。今までは見学するだけだったが、今後は句会や勉強会など市民の皆さんに使って頂ける施設になる」とあいさつ。4月からは同顕彰会が指定管理者として施設を運営する。

 開館時間は午前8時30分から午後5時。休館は火曜と年末年始。観覧料は一般300円、高校生以下の児童、生徒100円で、20人以上は団体割引がある。和室利用時の料金は別途必要。

 問い合わせは同顕彰会(0595・21・4081)へ。

- Advertisement -