【アンケート調査の結果を発表する「名張市立病院を守りよくする会」のメンバー=名張市役所で】

 三重県名張市の市民団体「名張市立病院を守りよくする会」は3月28日、市内で実施している市の医療体制に関するアンケートの中間結果を発表した。市が設置し、1月から市立病院の将来像などを有識者らが調査審議している「市立病院在り方検討委員会」について、65%が設置を「知らない」と回答し、「知っている」と回答した人は30%にとどまったことがわかった。

 同会は、伊賀名張ユニオンなど4団体や市民有志で構成。アンケート用紙は1月から2月にかけて同会が市内で8000枚配布し、3月5日までに1240人から回答があった。回答者の男女比はほぼ半々で、7割が60代以上の高齢者だった。

 検討委に望むことを3つまで問う項目では、「民営化の議論より充実の取り組みを」が58%、「市民の声を幅広く聞いて市民の合意を」が53%、「中立公正であって」が35%と続き、「指定管理・民営化の方向で議論してよい」は10%だった。市立病院に力を入れて欲しいことを3つまで問う項目では「医師・スタッフの充実」が57%、「救急医療の充実」40%、「医療技術の向上」が36%と続いた。

 アンケート結果を受け、会の代表委員の1人、臼井照男さん(同ユニオン執行委員長)は「検討委員会は、市民の声をよく聞いて議論してほしい」、同じく代表委員の内橋晃子さん(新日本婦人の会名張支部長)は「年配の方は、市立病院は市民運動があってやっとできたと話してくれる。本当に市民が望む病院になるために考えて」と話した。

 集計結果は今後、市や市立病院にも提出するという。

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