三重県名張市蔵持町里の吉本康子さん(90)方の庭に、高さ5メートルほどの紅梅の古木がある。幹は一部が空洞化しているが、3月上旬から多くの花を咲かせた。吉本さんは「今年も咲いてくれてありがとう。皮1枚でも命をつなぐ様子に、私も元気をもらっている」と話す。
梅の木は、吉本さんがこの家に嫁いだ70年前には既にあり、義母が嫁いだ時にもあったと聞いていることから、樹齢は100年以上とみられるという。幹の下の部分にはこぶしが入るほどの大きな穴が開いているものの、樹皮の部分で上部の枝の重さを支え、水や養分を吸い上げている。
根から高さ1・5メートルほどの部分にはラン科の「セッコク」が着生しており、梅の時期が終わると赤い花をたくさん咲かせる。その後は梅の果実がなり、梅酒作りも楽しめるという。
吉本さんは「可愛らしい梅の花だけではなく、2度も3度も家族を楽しませてくれる。これからも長くもってほしい」と話していた。
2022年3月26日付816号2面から
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