【朝礼台に集まった下猶さん(左から2人目)、桝井さん(同3人目)ら】

社会をデザインするネットワーク

 校区再編によって2003年に閉校した博要小学校(三重県伊賀市種生)の校歌を若い世代にも知ってもらおうと、同所で月1回マルシェ型イベントを開く「社会をデザインするネットワーク」(下猶茂樹代表)が活動に取り組んでいる。

 副理事の桝井佑一さん(同市阿保)が昨春、元同小教員の花垣淳美さんが保管していた楽譜から音を拾い、パソコンの音楽制作ソフトを使って曲を再生してみた。桝井さんらは「閉校から長い年月が経ち、校歌の余韻が消えつつあるのは寂しい」と感じているという。

 大正初期に建てられた木造の校舎は博要地区によって補修・整備が施され、閉校翌年に多目的施設「博要の丘」としてオープンした。19年からは同法人が、「寄り添い」をテーマとしたイベント「山の学校市場in博要の丘」を、3月から11月の毎月第2土曜を基本に開催し、会場入り口で校歌のメロディーを流している。

 また、校庭にある金属製の朝礼台も修復しようと、イベントに来場している子どもたちにも手伝ってもらいながら、全体のさび落としをし、塗装や新しい天板の取り付けなども計画中だ。

 桝井さんは「校歌や朝礼台も、校舎と同じように『学校の命』。ともに存在することで学校も喜んでくれると思う。今後も校舎とともに風景に溶け込むようなイベントを続けていきたい。いつかは口ずさめる人に朝礼台に立ってもらい、参加者皆で校歌を歌えたら」と思いを語った。

2022年3月12日付815号6面から

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