【 球審として試合を裁く中さん(三重県軟式野球連盟提供)】

野球「一緒に支える人増えて」

 野球やサッカーを始めとした各種スポーツの試合・大会に欠かせないのが「審判員」の存在だ。あくまで裏方ではあるものの、的確で迅速なジャッジは選手たちの全力プレーを陰から支えている。三重県軟式野球連盟の副審判部長・技術指導員を務め、小中学生から社会人までの大会で年間100試合以上を裁いている伊賀市真泥の会社員、中孝幸さん(46)に審判員の役割などについて聞いた。

 学童野球の経験はあったが、その後は剣道に取り組んだ。就職後、同級生らと野球チームを作って楽しんできた。同連盟伊賀支部の取り決めで、公認資格を持つ審判員をチームに2人以上置く必要があったため、中さんも講習を受けることになった。

県内に200人

 多くの大会では、投球のストライク・ボールや本塁付近のきわどいプレーを判定する球審と、1塁から3塁に1人ずつ塁審がつくのが一般的で、夜間の試合では外野線審が配置される場合もある。同連盟には県内11の支部に計約200人の有資格者がおり、支部単位で定期的に開かれる講習会では、基本的な動作やセーフ・アウトなどのジェスチャー、タッチプレーの際にジャッジしやすい位置取りなどを実践している。

 中さんは2012年から審判員としての活動を始め、仕事の傍ら、週末を中心に全国大会や東海大会、それらの三重県予選、地元で開かれる小学生の「ミニ甲子園」なども裁いている。国民体育大会(国体)へも派遣され、「地元開催ということで、審判員たちも準備も重ねていた」昨年の三重国体が新型コロナの影響で中止となったのは心残りだという。

 目の前でプレーしていた小中学生が、その後大きな舞台で活躍しているのを知るうれしさや、選手や他の審判員から「(ジャッジが)安定していますね」などと声を掛けられることもやりがいになる。中さんは「審判員をできる範囲でやって頂ける方、一緒に野球を支えてくださる方が増えてくれればうれしい」と話していた。

 審判員の講習会や運営スタッフの募集などについての問い合わせは同連盟伊賀支部の山崎さん(090・1626・3854)へ。

2022年2月12日付813号3面から

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