【水中に産み付けられたニホンアカガエルの卵塊=県上野森林公園で2022年2月19日撮影】

 凍て付く冬の公園の水辺に、つぶつぶのゼリーがたくさん!? 三重県伊賀市下友生の県上野森林公園内の湿地で、生息数が減っている日本固有種のニホンアカガエルが産卵し、透き通った寒天質の卵塊が水中で無数に産み付けられている。

ニホンアカガエルの雄(上)と雌(県上野森林公園提供)

 ニホンアカガエルは体長3から7センチほどのカエルで、本州から九州にかけて生息。市のレッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。

 他のカエルと同様に秋が過ぎると冬眠するが、雨などの気候条件が引き金となって途中で目覚め、1月から3月ごろに浅い水たまりなどで直径1・5ミリほどの卵を500から3000個産み付ける。産卵後は再び休眠する。

 同公園職員の渡辺直人さん(29)は「寒い時期に卵を産むのは、ヤゴなどの天敵がまだ活動していない時期だからで、生き残りのための戦略。今年は雨が少なかったので、1週間ほど産卵が遅かった。2週間ほどで孵化(ふか)し、オタマジャクシになる」と話していた。

 同公園ビジターコテージでは、ニホンアカガエルの卵を水槽で孵化させる展示を行う予定だという。

- Advertisement -