厚紙を切って布やリボンで装飾し、箱などを作るフランスの伝統工芸「カルトナージュ」。三重県伊賀市上野車坂町の栗原晴恵さんは今年、カルトナージュ作家としての活動を本格化させる予定だ。
愛知県に住んでいた30歳のころ、「何か新しいことを始めたい」とインターネットで調べていた時にカルトナージュを知った。体験レッスンに参加したのを機に、名古屋市にある教室に通うようになり、作品は友人にプレゼントしては喜ばれていたという。
結婚後、伊賀市に移り住んだことで活動を一時休止していたが、2人の子どもの子育ての中、昨年4月に創作を再開。すると誰かに見てもらいたくなり、5月から写真投稿サイト「インスタグラム」に「 @atelier._.kanon(アトリエカノン)」の名で作品の紹介を始めた。
自分の好きな布を自分の組み合わせでデザインして作成するので、個性が作品の前面に出るという。主に英国リバティ社の「リバティプリント」と呼ばれる生地を使うそうだが、地元にちなんで忍者柄を使った作品も増やした。箱だけでなく、バインダーや朱印帳、カバーなどをインスタに投稿するたび、少しずつファンが増えていった。
地元のイベントにも出展し、初めてのワークショップも開催。作品を完成させて笑顔になる参加者を見ると、改めてうれしいと感じたという。
「今後はイベント出展に加え、自宅やオンラインでのレッスン、高齢者施設、保育所などでもできたら」と笑顔を向ける。「厚紙から可愛いものが出来上がる変化は気分が上がるので、その楽しさを伝えていけたら」と語った。
名張市上小波田の「つぐみカフェ」でも作品が委託販売されている。
2022年1月29日付812号18面から
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