【(左写真)木製のおもちゃを手にする吾郷さん(右写真)電動糸のこで木をカットする様子】

孫とおもちゃ作りも

 「DIYと畑仕事をしたいという夢が、ずっとあった」。島根県出身で、長らく広島市で暮らしていた吾郷進さん(66)は、定年をきっかけに2016年に妻の英沙江さん(66)とともに三重県伊賀市山畑へ移住した。この地を選んだのは、2人の息子が暮らす愛知と京都のどちらへも行き来しやすいからだった。

 若いころから庭いじりや棚作りなど手作業が好きで、常々「広い敷地があれば思うような作業ができるのに」と思っていた。リフォームされた古民家を購入し、庭の一角に工房を建て、電動ドリルや電動糸のこなどを買いそろえだした。

 5年ほど前、1歳になった次男の孫のために、大好きな消防車や救急車を木のおもちゃで作ってあげたことから、本格的な木工細工が始まった。初めは「電動糸のこは難しく、思うように曲線を切れなかった」と苦労もあったが、その後もテーブルや椅子などの家具、バイクや愛犬のための小屋、干支の置物や節句の人形など、次々とさまざまな木工に打ち込んだ。

 1歳だった孫も今春には小学生になり、木工に興味がわきだしたようで、吾郷さんの家を訪れると、2人で木のおもちゃを作って楽しんでいる。

 昨秋開かれた地元の「いがまち展覧会」にも置物を出展していた吾郷さんは「これから先も、孫と一緒に机や椅子、本立てなども作りたい。竹を使ってバランスとんぼや風車作りにも挑戦できたら」と笑顔で語った。

2022年1月15日付811号2面から

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