【ビニールシートの仕切りの下から参拝客に縁起物「吉兆」を手渡す神社関係者=名張市鍛冶町で】

 三重県名張市鍛冶町の蛭子神社で2月5日、商売繁盛を願う「八日戎」が始まり、縁起物を買い求める人たちが足を運んだ。新型コロナウイルスの影響で2年ぶりの開催で、今年は感染防止のため分散参拝を促す「福先詣り」として5日と6日の日程を初めて加え、8日までの計4日間になった。

 社務所では、神社の関係者がビニールシートの仕切りの下から、ネコヤナギの枝に小判、米俵、タイなどを模した飾りを付けた「吉兆(けっきょ)」など縁起物を参拝客に手渡した。恒例の「福娘」や七福神の舞の奉納、ハマグリ入りかす汁の振る舞いなどは感染対策で前年に続き中止した。

 父親の代から吉兆を求めに訪れるという市内の電気設備店経営、生田恵二さん(61)は「商売繁盛、無病息災、家内安全と、コロナが収束して世の中の経済が回るよう願ってお参りした。去年は吉兆を買えなかったが、今年は予約した。いつものように店に飾りたい」と話していた。

 同神社によると、吉兆の他、熊手や箕など計約2000個を用意し、参拝客に授与する。吉兆は例年より少ない200本を予約先着順としていたが、1日の予約開始から2日間で既に予定数に達したという。

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