【天狗と獅子が向かい合う「鼻高」を披露する保存会のメンバー=伊賀市一之宮で】

 「伊賀の一宮」として知られる三重県伊賀市一之宮の敢國神社(太郎館学宮司)で1月3日、年3回奉納される獅子神楽(県無形民俗文化財)の「舞初祭」があった。昨年は感染防止のため取りやめた「鼻高」など6種類の舞が披露され、参拝に訪れた人たちはカメラを向けながら見入っていた。

 同神社の獅子神楽は、崇敬していた武将・藤堂高虎が年頭の祝儀として舞わせていたと伝わり、伊賀地域各地に伝わる獅子神楽の原型とされる。戦後に結成された獅子神楽保存会では舞初祭の他、4月17日の舞上祭、12月5日の例祭(おんまつり)で舞を奉納している。

獅子の口に頭を入れる参拝者

 この日は拝殿で神事を終えた後、午後0時30分から鳥居前で「広前」「四方神楽」「五段神楽」「剣の舞」「鼻高」「荒舞」が披露された。「鼻高」では、眠っている獅子を起こそうとする天狗がこっけいな動きを見せると、参拝者からは小さく笑いも起きていた。

 6つの舞で太鼓を奉奏した保存会の岡野幸男会長(56)は「天候にも恵まれ、平常心で披露できて良かった。昨年は取りやめた『鼻高』と『背つぎ』のうち鼻高が2年ぶりにでき、参拝された皆さんに楽しんで頂けたのではないかと思う」と話していた。