【観音寺の毘沙門天立像(右)は本尊・阿弥陀如来坐像の脇に立つ。奥は不動明王立像=伊賀市東谷】

新しい本堂で迎える新年

 「寅の年・寅の日・寅の刻」に出現したとされる毘沙門天は、虎がその使者と位置付けられることもある。三重県伊賀市東谷の観音寺(奥野保三住職)には、鎌倉時代後期から南北朝期の作と伝わる木造の毘沙門天立像が、不動明王立像とともに本尊を守っている。

 同寺の創建年代は不明だが、本尊の木造阿弥陀如来坐像は国重要文化財、毘沙門天と不動明王も市指定文化財になっている。老朽化が進んでいた前身の本堂は「このままでは次世代に引き継げない」と新調することになった。

 今年5月に本堂の落慶法要が営まれ、檀家らは「明るいお堂で、しかも近くでお顔が拝めてうれしい」と喜び合った。さまざまなことが新型コロナに翻弄されてきた近年だが、新しい本堂で迎える初めての年越しが善き年の始まりとなるよう、住民らは願っている。

2021年12月25日付810号10面から

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