【松本室長(左端)から手紙入りの桐箱を受け取る卒業生たち=名張市丸之内で】

 2014年3月に三重県名張市の市立名張小学校(丸之内)を卒業した51人が20歳の自分に宛てて書き、同小近くの名張藤堂家邸で保管されていた手紙が12月27日、成人式を来月に控えた卒業生に引き渡された。参加者たちは約8年の時を経て届いた手紙を開封し、思い出話しに花を咲かせた。

当時の手紙を読んで照れ笑いする卒業生ら=同

 手紙は藤堂家にちなみ「TODOKE未来メール」と名付けられ、13年と14年の卒業生が学校生活の思い出や将来の夢などを紙に書いて桐箱に収め、市教委が蔵の中で保管していた。昨年は、13年の卒業生に手紙が引き渡されていた。

 江戸時代に名張を治めた名張藤堂家の屋敷は、かつて現在の同小敷地などにも広がっていたという。子どもたちに地元の歴史を身近に感じてほしいと、近くで結納品店を営む卒業生の小島敏孝さん(68)が同小創立140周年の記念に未来メールの取り組みを発案した。

 この日、卒業生15人や当時の教員らが藤堂家邸を訪問。卒業生代表が市教委文化生涯学習室の松本孝寿室長から手紙入りの桐箱を受け取り、邸内の畳の上で輪になって開封した。

 大阪工業大2年の新侑士さん(20)は手紙を読み「サッカー選手になりたいと書いてあった。当時は本当にこれ一色だった」と懐かしんだ。現在は建築士を目指し学んでいるといい「今は新しい目標がある。成人式を前に清々しい気持ちになれた」と笑顔を見せた。

 開封に立ち会った元校長の坂口嘉博さん(67)は「自分自身の成長を振り返り、人生について改めて考える機会にしてほしい」、小島さんは「名張藤堂家邸が人生の節目に集まった思い出の場所になり、恋人や家族とまた訪ねて頂けたら」と思いを語った。