【左から大地山君、杉岡君、竹松君、奥西君(三重高提供)】

 「第100回全国高校サッカー選手権大会」が12月28日に開幕する。2回目の出場となる三重県代表の三重高校(松阪市)には、名張出身の3年生4人も在籍し、4年ぶりの大舞台進出にそれぞれの立場で貢献した。今夏の全国高校総体での経験を糧に「チャレンジャーの気持ち」で頂点を目指す。

徳地監督

 31人いる現3年生は、1、2年時に全国の舞台は経験していないが、持ち味の多彩なパスサッカーを磨き、今年の全国高校総体では過去最高の16強入り。「敗れた直後から選手権に向けてすぐ練習を始めていた」と徳地俊彦監督(33)が振り返るように、1点差で敗れた3回戦の悔しさが原動力となった。

 選手権県予選は準決勝までの4試合で計26得点に対し失点は1。決勝の海星(四日市市)戦は後半残り10分まで3点リードしながら、終了間際に立て続けに失点するものの3‐2で振り切り、県内52チームの頂点に立った。

 「もう一度全国で戦うために県で優勝を」。右サイドバックのDF大地山開君(桔梗が丘中)は体を張った守備で貢献し、ダブルボランチの一角を務めるMF竹松純心君(同)も得点機を演出。決勝では出場機会の無かったDF奥西哉太君(南中)、MF杉岡真翔君(赤目中)も含め、ベンチ、スタンドも一丸となった。

 4人は中学3年までクラブチーム「名張FCテコス」でプレーし、「これからも一緒にサッカーがしたい」と同高へ進んだ。テレビで県予選決勝を観戦したテコスの二井清和代表(68)は「成長を感じることができた。これからも選手として活躍し、将来は子どもたちにサッカーの楽しさを伝えてもらえる存在になってほしい」とエールを送る。

 チームの目標は4強入り。4人は「チームを勝たせるプレーをしたい」(大地山君)、「目の前の試合に集中し、1つずつ勝っていきたい」(竹松君)、「圧倒して勝ち上がりたい」(奥西君)、「けがで出遅れた分を取り戻してしっかり準備したい」(杉岡君)と意気込みを話した。

 コロナ禍でクラブ活動ができない夏から秋の1か月間も「体力がついてスキルアップした子がたくさんいた」と徳地監督。母校で3年目になる名張市出身の若き指揮官は「選手たちの一番のサポーターは自分だと思っている。この子たちと一緒に『三重県で勝っても全国では勝てない』と言われてきたこれまでの評価を覆し、新たなサッカー文化を自分たちで作っていきたい」と思いを語った。

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2021年12月25日付810号20面から

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