【2019年に四日市市で開かれた「能楽まつり」で素謡を披露する名張からの参加者たち(提供写真)】

 三重県内の能楽愛好家が日頃の稽古の成果を発表する「第30回三重の能楽まつり」が、11月28日午前10時から午後4時まで名張市松崎町のadsホールで開かれる。入場無料。

 県文化振興基金活用事業の一環。津、四日市、桑名市など県内6市の能楽振興団体が毎年順番に開催しているもので、名張能楽振興会が昨年の担当だったが、コロナ禍で今年に順延されての開催。

 プログラムでは、素謡(すうたい)4番、仕舞16番の他、連吟1番、独吟1番、笛の連管1番に総勢67人が出演し、「竹生島」「羽衣」などを発表する。

 また、「名張こども能楽囃子教室」の5人が太鼓と笛で「神楽」「早笛舞働」を合奏する他、桑名と伊勢の子どもたちが仕舞を披露するなど、合計15人の小中学生が出演する。

 会場ロビーでは伊賀市在住の能面師、山本童悦さん(84)の「能面展」が併催され、約20点が展示される。

 観阿弥創座の地である名張市の同振興会には現在、「桔謡会」「名張幽風会」「邦謡会」の3団体に26人が所属。高齢化の影響で会員数はピーク時の半分に減少、名張こども能楽囃子教室には、現在小中学生13人が所属し稽古している。

 同振興会の尾本頼彦会長(80)は「伝統芸能である能楽の魅力を伝えたい。コロナ禍で十分な稽古ができず、難しい演目を出せないなどの制約があるが、将来を担う子どもたちの熱演もあるので多くの方に鑑賞してほしい」と呼び掛けた。

 問い合わせは尾本会長(0595・64・5400)、または(090・6467・5120)まで。

2021年11月20日付808号7面から

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