【足を負傷した想定の乗客役を搬送する救急隊員ら=名張市平尾の近鉄名張車庫で】

 列車内での刺傷事件やトラブルなどが全国で相次ぐ中、三重県警と近鉄、名張市消防本部は11月18日、同市平尾の近鉄名張車庫で、列車内でのテロ行為や不審物への対応、傷病者の救出・救助などを想定した合同訓練を実施した。〈YouTubeで動画を見る(https://youtu.be/LO5SZWssE3Q)〉

 この日の訓練には、名張署や県警本部警備第二課、機動隊の他、同駅、市消防本部から約30人が参加。4両編成の電車内で、走行中に刃物を持った不審者を乗客が発見する想定でスタートし、異変に気付いた乗客が乗務員や警察に通報した後、乗務員が乗客を車外へ誘導し、脱出時に足を負傷した人や気分が悪くなった人を救急隊員が救護した。

 その後、駆け付けた警察官が、向かってくる犯人役を盾やさすまたなどを使って取り押さえ、化学防護服を着用した機動隊NBCテロ対策部隊が、車内にまき散らされた液体を検知・処理した。

犯人役を取り押さえる警察官ら=同

 同署によると、10月末に発生した京王線車内での乗客死傷事件以降、三重県内で同様の訓練が行われるのは初めてで、この日は県内の交通事業者の担当者ら約15人も見学に訪れていた。

 訓練終了後、同署の樋口弘道署長は「制圧・逮捕を除けば乗客の安全確保と負傷者の救護が第一。訓練に参加したそれぞれが自分の立場を確認することができたと思う。万一こうした事案が発生した時には今回の訓練の経験が生かせるのでは」と講評を述べた。