【緊急事態宣言明けの1か月ぶりの練習に励む「ひまわりコーラス」のメンバー=名張市上八町で】

 平均年齢が75歳を超える熟練の女声合唱団「ひまわりコーラス」が、11月13日午後1時30分から三重県名張市丸之内の市総合福祉センターふれあいホールで「創立30周年感謝のコンサート」を開催する。入場無料。

 同合唱団は昨年、創立30周年を迎え、記念のコンサートを予定していたが、新型コロナウイルスの影響で1年延期になった。今年の開催も危ぶまれたが、マスク着用などの感染対策を施しながら開催にこぎつけたという。

 発足当初から合唱指導をしている指揮の富永智江子さん(83)は「この時期に開催できるのは奇跡的なこと。歌い続けてきた仲間など、全ての皆さまへの感謝を込めて歌いたい」と話している。

 メンバーは60代から90代の29人で、最高齢は代表の川北鈴さん(97)。週1回、同ホールや名張市民センター(同市上八町)で練習している。定期コンサートの他、戦後60年、70年の節目には「ふるさとコンサート」、拉致被害者の帰国の折には支援コンサートも開催してきた。また、年10回ほど福祉施設を訪問し、懐かしい歌を披露している。「戦争の苦しさを体験しているメンバーも多く、今こそ私たちが平和の大切さを伝えなければ、との思いで歌っている」と富永さん。

 当日は5部構成で、金子みすゞ作詞の「私と小鳥とすずと」「大漁」の他、「ステンカラージン」「モルダウ」「ふるさとの四季」などを歌う。友情出演の山本汎昭さんによるアコーディオン独奏や女声コーラス「秋桜」による合唱もある。ピアノは惠村節子さん。

 同合唱団の福田夫瑳子さんは「私たちの歌を聞いて頂き、少しでも希望を与えることができればうれしい」、富永さんは「日本の懐かしい童謡などを未来に伝えていきたい。小さい子どもさんにも聞いてほしい」と来場を呼び掛けている。

2021年10月23日付806号17面から

- Advertisement -