【「伊賀の歴史bot」のツイッターアカウントを表示したタブレットを手にする水谷さん】

 考古学などに興味を持ち、短文投稿サイト「ツイッター」で地元の歴史情報を発信している三重県伊賀市緑ケ丘南町の公務員、水谷侃司さん(29)。「説明がわかりやすい」とフォロワーが急上昇中だ。

 小学生の時に見たテレビ番組で遺跡発掘に興味を持った。上野高校を卒業後は、考古学を学ぼうと金沢大学に進学した。発掘調査にも参加し、特に3年生の時に経験した中東・ヨルダンでの調査は、岩石の多い砂漠での過酷な作業の上、屋根のない野宿生活が続き、今でも強烈な思い出として残っているという。

 大学卒業後は名古屋大学大学院に進み、在学中の2016年、文化財技師として三重県に入庁。平日は県埋蔵文化財センターで勤務、週末は大学院で土器の研究を続けた。

 入庁したころから、伊賀地域の文化財や史跡、道標などがある場所を訪れ、写真を撮り始めた。「自分の故郷の面白い歴史や魅力を調べて、それを伝える方法はないか」という学生時代からの思いがきっかけだった。

 18年3月から、現地取材や図書館などで調べたことを写真とともに、「伊賀の歴史bot」のアカウント名で、ツイッターに投稿するようになった。制限文字数140文字で簡潔にわかりやすく、地元の史跡などを紹介すると「私も行ったことがある」「知らなかった歴史が知れた」などの感想が届き、続ける原動力になったという。

 現在、県教育委員会で史跡や世界遺産の保護を担っている水谷さん。今も1日6回投稿し、フォロワーを増やし続けている。今年5月からは、動画投稿サイト「ユーチューブ」の「伊賀の歴史チャンネル」で動画配信も始めた。「地元の歴史は自分の歴史」と語る水谷さん。地元歴史の魅力をもっと知ってもらいたいと、これからも投稿を続けていくそうだ。

2021年10月23日付806号11面から