【大津市内のアトリエで話す山尾さん(提供写真)】

 生まれ育った三重県伊賀市上友田で小学6年まで過ごし、現在は大津市に暮らす画家、山尾才さん(74)の個展が、10月5日から12日まで伊賀市内で開かれる。故郷での初個展を控え、「このようなコロナ禍ではあるが、古里で個展が開けるのはありがたい」と感じている。

 中学から大津へ転居。東京藝術大では洋画の小磯良平教授に師事し、絵描きの在り方を“全身全霊”で教わった。同大大学院を修了後、欧州留学を経て、教育関連書籍などを発行する光村図書出版へ美術編集長として招かれ、10年間勤務。その傍ら、関東各地の中学・高校などの非常勤講師として後進の指導にも注力してきた。

父のアトリエ継ぐ

 50代半ばで滋賀県内のこども園の園長を引き受けたのを機に滋賀へ戻り、退職後は、滋賀大名誉教授の父・平さんが興した大津のアトリエを引き継いだ。絵に専念する生活になると、画家仲間の元永定正さんからは「ようやく絵描きになれたんだな」と茶化されたこともあるそうだ。

 人物画や風景画を中心に、これまで東京、京都などで計40回以上の個展を開き、県内でも四日市、松阪で個展を開いたことがある。関東で暮らしていたころは「盆と正月に用事をしに帰ってくるだけ」だったが、大津に腰を据えてからは、伊賀で暮らす孫たちと過ごす時間も増えた。伊賀の風景では、故郷の阿山、霊山、青山高原などが印象深いそうだ。

 会場は伊賀市上野福居町のギャラリー「アートスペースいが」。時間は午前11時から午後6時(最終日は同4時)まで。入場無料。

 問い合わせは同ギャラリー(0595・22・0522)まで。

2021年9月25日付804号3面から

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