【フチバイトの商品を紹介する大輔さん(左)と万莉さん=名張市桔梗が丘3で】

「FUCHIBITE」ブランド

 姉弟が手に持つまな板とフライパンは、魚釣りが趣味の2人が企画し、「FUCHIBITE(フチバイト)」のブランドで売り出している「ひと味違う調理器具」。現在、三重県名張市のふるさと納税返礼品にも選ばれている人気商品だ。

フタ付きワイドパンを使った調理の例(提供写真)

 商品を企画、販売しているのは、調理器具などに使われるアルミダイキャスト製品や鋳物、樹脂製部品などの材料や製品の輸出入代行業務を2003年から手掛けている株式会社アクトコーポレーション(本社・同市美旗町中2番)。代表の渕上悦宏さんと長女の万莉さん、長男の大輔さんの家族3人で事業を運営している。

 扱う商材は多岐にわたるが、中でも異なる種類の金属を層状に合わせた特殊な多層鋼材(クラッド材)は長年の実績があり、韓国の大手メーカーの総代理店的役割を担っている。クラッド材は、それぞれ異なる金属の特性を併せ持つ材料。耐蝕性に優れ、堅牢性が高いステンレスで熱伝導性が高いアルミニウムを挟むように層を作ることで、ステンレス特有の光沢と丈夫さを保ったままアルミニウム並みの熱伝導性を発揮することができる。また、最外面に磁力を帯びるステンレスを使用することで、最近メジャーになりつつある電磁(IH)調理器でも使用可能となる。

 「クラッド材に限らず、樹脂製品や木工品などを国内外から仕入れ、新潟県燕三条地域の金属加工メーカーを長年のメイン顧客として販売してきた。また、近年は国内メーカーの製品を国外の需要家へ輸出する手伝いもしており、父の時代から築いてきた多くの仕入れ先、国内メーカーとのつながりが当社の強み」と大輔さん。

 昨年まで鉄鋼物流の会社で、営業、収益管理、原材料管理を経験した大輔さんが、今年になって父の会社の経営・営業企画を主に担当。

 万莉さんは大阪を拠点に活躍するインスタグラマーで、BSの釣り専用チャンネル番組への出演などで、週に3、4回は各地の釣り場に出掛け、動画投稿サイト「ユーチューブ」で魚料理の動画もアップしている“釣りガール”だ。

「おいしく食べる」

 「釣った魚をおいしく食べる」をコンセプトに、姉弟で今年2月に立ち上げた新事業が、魚料理に特化した調理器具のフチバイトで、第1号商品が「スケール付きの木製まな板」。「釣り人は魚のサイズにこだわるので、まな板の表面にスケールの焼き印を入れた。ヒバやヒノキの木材で抗菌性があり、柔らかいので包丁にも優しく好評」と万莉さん。

 次に最主力商品となっているのが、IHでも使用できる「フタ付きワイドパン」。四角いフライパン本体と付属のふたはアルミニウム合金でできており、一般的なガラス製に比べて熱を均一に保つ。幅225ミリ、長さ390ミリ、高さ44ミリで、タイやイサキなど中型魚1匹分を頭付きで調理できる。

 更に今秋には、ガラスふた付きの「アルミキャスト製土鍋」も発売予定だ。内外面にセラミック塗装を施し傷に強く焦げ付きにくい。IH対応なので、夏でも涼しく鍋物調理を楽しめるという。これらの商品は、話題性もあり、店頭に並べる釣具店も増えているそうだ。

 現在、桔梗が丘3番町には同社の事務所兼ショールームの「キッチンクオーレ」がある。規格外の商品や包丁、ターナーなどの調理器具を安価に販売する小売店でもあり、商品を使いこなすための料理教室も開催している。

 姉弟は「アウトドア向けなど、新しい魚調理器のアイデアは無限にある。ご期待を」と笑顔を見せた。商品はアマゾンなどネットショップなどからも購入できる。

2021年9月25日付804号6面から