【「カミワザ」の3人。左から、なりさん、ともひろさん、ヒデトリアンさん(提供写真)】

 奈良県宇陀市の魅力を動画投稿サイト「ユーチューブ」で発信するため、同市が公認ユーチューバーの育成を始めた。協力するのは同市出身者を含む20代後半の男性3人組「カミワザ」で、約70万人のチャンネル登録者数を誇る人気ユーチューバーだ。

 カミワザは、ともひろさん、ヒデトリアンさん(ともに同市出身)、なりさんの3人で、5年前に結成。ともひろさんが高校卒業後にフリーランスの映像クリエーターとして活躍するなか、趣味で「ユーチューブをやろう」と、会社勤めのなりさんに声をかけ、動画配信を始めたのがきっかけ。撮影を手伝っていたヒデトリアンさんもそのままメンバーになったという。

神業動画

 当時よく見ていたのがスポーツのスーパープレーなど「神業」と呼ばれる技を披露する動画。それに触発され、4年前から、ハンドスピナーに代表される玩具などの“神業動画”を月に1、2回のペースで投稿し始め、人気が出だした。3年前の動画「鉛筆カーブ神業」の視聴回数が100万回を超えたことを機に、3人で上京した。

 上京後に撮影した「ベイブレード神業」は今では視聴回数800万回を突破。最近は玩具の「ナーフガン」を使った動画を投稿し、「奈良健康ランド編」という動画は視聴回数が3千万回を突破した。3人にとってユーチューブの魅力は「ゼロから作り上げた100%自分たちの作品で勝負できること」だという。

市が事業企画

 そんな活躍を注視していた同市が「大和高原宇陀ブランド」を発信するためのユーチューバー育成事業を企画。動画撮影や編集のノウハウ、情報発信方法をカミワザが指導することになった。希望者の公募は8月中旬に締め切られ、4人の合格者を対象に9月から半年にわたって事業が展開される。

 担当する市商工産業課の山下正人さん(50)によると、公認ユーチューバーの育成は「地域商社の設立を目指し、3年後をめどに自立し、雇用を生んでいくのが目的」だという。

 カミワザの3人は、合格者たちに向け「動画配信は途中で投げ出す人が多いけど、本気でやりたいなら諦めないことが大切」と話していた。

2021年9月25日付804号7面から

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