【ススキをかき分けナンバンギセルの花を見つめる中原さん=伊賀市予野で】

 三重県伊賀市予野の田んぼ脇の斜面で、寄生植物の「ナンバンギセル」がひっそりと薄紫色の花をつけた。うつむき、物思いにふけるような姿から、万葉集では「思ひ草」と詠まれているとされる。

 ハマウツボ科の一年草で、光合成に必要な葉緑素を持たず、ススキなどの根に寄生して育つ。秋になると高さ20センチほどの茎を伸ばし、先端に3センチほど花を咲かせる。形が西洋のパイプに似ていることから名付けられたという。

 ススキの根元で花を見つけた、近くに住む中原五津子さん(72)は「昔はもっとたくさん咲いていたが、ここ数年間はあまり見かけなかった。本当にかれんな花ですね」と話していた。

2021年9月25日付804号2面から