【(左写真)更新されたAED(右写真)英語とイラストが表示された画面】

 三重県名張市は、市内の24時間営業のコンビニエンスストア23店舗に設置している自動体外式除細動器(AED)のうち17店舗分を、日本語と英語の2言語で画面に表示されるイラストを交えて使用方法を案内する機種に更新した。

 AEDは、心臓がけいれんして血液を全身に送れない「心室細動」を起こしている場合に、心臓に電気ショックを与えて正常な状態に戻す医療機器。

 同市では2015年から、「なばりまちのAEDステーション」として24時間営業の市内のコンビニにAEDを設置。今回、機器の更新時期が来たことから、聴覚障害者や外国人の使用も想定し、この機種を導入した。

 新機種はカラーの液晶モニターを備え、イラストを表示しながら日本語と英語の文字と音声で交互に案内する。従来機種は日本語のみでの対応で、画面表示はなかった。残る6店舗分は更新時期がまだ来ていないため、来年度以降に順次更新を進める予定。

 市内で20年に心肺停止で救急搬送されたのは77人で、このうち市民がAEDを使用した事例は13件、実際に電気ショックを与える判定が出たのは1件だった。名張消防署救急室の藤森博之医療連携担当室長は「救急車が要請を受けてから到着するまでには平均約7分かかり、現場に居合わせた人の応急手当はとても重要。救急隊到着まで、救命のリレーをつなげて頂けたら」と話す。正しく安全に使用するためには、事前に救命講習を受講しておいた方が良いという。募集の詳細は市ホームページに掲載されている。

 市内ではコンビニを含め公共施設や事業所計160施設にAEDが設置されており、市ホームページの「AEDマップ」で場所が確認できる。

2021年9月11日付803号22面から

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