【5月のレースでベストパフォーマンス賞を受賞した上杉さん(提供写真)】

 自動車部品製造会社に勤務する傍ら、休日にはカーレーサーとして好成績を残す、三重県名張市緑が丘中の上杉祥之さん(37)。バーチャルアイドルをラッピングした、ひときわ目を引く愛車のトヨタ「86」で観客を魅了している。

 根っからの車好きで、中高校時代はレーシングカートで活躍した。大会で優勝を重ねるなど輝かしい成績を収めていたが、20代前半でレースの最前線から一歩退いた。

 転機は30歳の時。知人を介して、偶然レースに誘われた。「ただ走るだけでは面白くない」と、当時話題になっていた仙台発のバーチャルアイドル「大森杏子」とコラボレーションしたいと、企画する制作会社に提携を依頼。車体に大きく大森杏子が描かれたラッピングカーでレースに出場することになった。

 「派手な塗装だが、エンジニアが帯同するレーシングチームで“色物”扱いされないレースをしよう」と、クラウドファンディングやスポンサー協力も得てチームを編成。平日は会社員、休日はレーサーの活動を本格化させるようになった。

「地元」仙台でも

 今年はレーシングカーを86にし、特に好調だそう。5月に静岡県の富士スピードウェイであった「86/BRZレース」では、予選を勝ち抜き決勝に進出。10周しかない決勝レースでは14台を抜き、順位を1番上げたドライバーに贈られる「ベストパフォーマンス賞」を受賞した。

 7月に宮城県のスポーツランドSUGOであった「2021 SUGO チャンピオンカップレースシリーズRd・4」では、大森杏子の地元ということもあり、走るだけでも大盛り上がりだったという。「バーチャルアイドルとカーレースという、普段は共通点のない双方のファンが違う分野を知るきっかけになった」と喜ぶ。

 9月に鈴鹿サーキットでのレースを控えている上杉さんは「今後もスポンサー、エンジニア、ファンなど、皆の思いを乗せて、できるところまで走り続けたい」と目を輝かせた。

 上杉さんが開設する「大森杏子Racingサポーターズクラブ」(https://community.camp-fire.jp/projects/view/211786)では、サポートメンバーも募集している。

2021年8月28日付802号3面から