【著書を手にする高橋さん=伊賀市役所で】

 戦国武将・織田信長らの軍勢が伊賀国(現在の三重県伊賀地域)に攻め込んだ「天正伊賀の乱」。城郭研究家で大阪府高槻市在住の高橋成計さん(69)が、乱に関わった城郭73か所を紹介する著書「織田信長の伊賀侵攻と伊賀衆の城館」(アメージング出版)を発刊した。

 高橋さんは20代のころから山城に興味を持ち、会社勤めの傍ら、全国を巡ってきた。メジャーなどを使って現地調査し、図面化した城郭遺構は1千を超えるという。伊賀地域には20年ほど前から興味を持ち、400ほど現存するといわれる城跡のうち150ほどを図面化してきた

他国勢力の拠点も

 今回は、戦国期に傭兵として他国の大名や寺社勢力に力を貸した伊賀の在地領主「伊賀衆」の城館や、織田方の侵攻拠点となった陣城の他、近江の六角氏や伊勢の北畠氏など、関連する他国勢力の拠点も取り上げた。

 伊賀衆の城館は「多くが丘陵の傾斜地にあり、方形の曲輪の周りに土塁を巡らせ、丘陵上からの攻撃に備えて土塁上に櫓台を設けるのが特徴」と分析。「守護の力が弱いため、在地領主は自力で防衛する必要があり、一族郎党を城館に集団で住まわせていた。これらが城のつくりに出ている」と説明する。

 高橋さんは「伊賀地域の城館の密度は日本一。地元の方々に理解を深めて頂き、保存への機運が高まれば」と思いを語った。

 A5判180ページ、1850円(税込み)で、岡森書店白鳳店の他、インターネット通販サイト「アマゾン」で取り扱っている。

2021年8月14日付801号15面から