【「特別感を大事にしたい」と話す中林さん=伊賀市川西で】

 クッキーの上に砂糖と卵白を混ぜて作ったクリームで装飾した菓子「アイシングクッキー」。「HONEY~icing cookies~」の名前で教室を開き、イベントへの出品も続けている、三重県伊賀市川西の中林彩さん(32)。細部まで丁寧な仕上がりに、SNSでも「クオリティーがすごすぎる」「映える」と人気だ。

出来上がったクッキー

 幼いころからお菓子作りが好きで、結婚後は3人の子育てをしながら、菓子を手作りする機会が増えた。4年前、初めてアイシングクッキー作りに挑戦したものの、家族の評判は良くなく、それ以来作っていなかった。

 最近になって、画像投稿サイト「インスタグラム」で見かけることが多くなり、昨年、「きちんと学んでみよう」と、津市内の教室に通った。12月には認定講師の資格を取得し、「自分と同じ子育て世代の人にリフレッシュの場を提供できたら」と、子連れでも可能な自宅教室を始めた。今年2月からは月1回のペースでイベントに出品するようになり、本格的に活動をスタートさせた。

 「唯一無二」にこだわりを持つ中林さんは絵を描くのも得意で、依頼者のイメージをくみ取り、まずイラストに起こす。その人ならではのものを心掛け、食紅を使って色を作り、動物型や似顔絵を描いた「特別感のある」クッキーに仕上げる。イベントに出品するものは客層や季節を考え、どんなものが喜ばれるかを思い浮かべて作る。手間はかかる分、「完成した時の達成感は半端ない」そうだ。

地元産の食花も使用

 購入者がデコレーションを加えてSNSに投稿しているのを見ると、「喜んでいる姿が伝わってくるようでうれしい」という。地域ともつながりを強めたいと、地元産の食花を使って作ったところ、人気が出始めた。オーダーや委託販売もインスタグラムを通じて広がってきたそうだ。

 これからも「丁寧に作る」という姿勢は変わらないという中林さん。「今後も、食物から色を取って優しい色も使ってみたいし、直売所みたいなのも作ってみたい」と夢は広がっている。

出来上がったクッキー

2021年8月14日付801号3面から

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