【練習に励む優太君(左)と唯人君=名張市夏見で】

コロナ禍でも「ベスト尽くして」

 8月17日から茨城県ひたちなか市で開かれる「第48回全日本中学校陸上競技選手権大会」に、参加標準記録を突破した三重県伊賀地域の4人が出場する。昨年の大会は新型コロナ感染拡大防止のため中止となり、今年も感染者の急増が叫ばれる中での開催となるが、選手たちは「自分のベストを尽くして走りたい」と練習に励んでいる。

【800m】競い合い成長双子兄弟 赤目中 松山優太君・唯人君

 男子800メートルには、名張市の陸上教室「名張ジュニア」(徳地和子監督)に所属する、赤目中3年で双子の松山優太君(14)、唯人君(14)兄弟=同市百合が丘東4=が出場する。今夏記録した自己ベストは0・17秒差で、「ずっとライバル。目指す存在」「頑張っている姿を間近で見ているから負けられない」と、互いに意識し合う存在だ。

 マラソン好きの父親の影響で、小学4年から同クラブで競技を始め、体を自然に前へと進める前傾のピッチ走法で記録を伸ばしてきた。7月18日の県通信大会では、優太君が1分57秒54、唯人君が1分57秒71と標準記録を突破し、そろって全国大会出場を決めた。

 「陸上競技で周りの人たちとの関わりが増え、苦手なことも克服できた。陸上の記録が伸びるにつれ、学校の成績や生活習慣も変わってきた」と、競技を通じて目覚ましい成長をみせてきた2人。「持っている力を出し切って優勝したい」(優太君)、「初めての全国大会だけど堂々と走りたい」(唯人君)と意気込みを話した。

【110mハードル】スタート力で勝負 桔梗が丘中・竹下君

竹下諒君

 110メートルハードルには桔梗が丘中2年の竹下諒君(14)=同桔梗が丘4=が挑む。短距離で培ってきたスタート力が大きな武器だ。

 小学6年の夏ごろから本格的にハードル走を始め、元中学校教員で陸上指導者の田中由一さん(津市)から手ほどきを受けてきた。最近の練習では、ハードル間のインターバルを速く刻んでいくことを重視しているといい、7月29日の県選抜大会では標準記録に並ぶ15秒00をマークした。

 競技を通じ、「食事に気をつけるようになった。指導者の先生方や家族にいつも感謝している」と話す竹下君は「標準記録を突破できた今年は、決勝に残るのが目標。3年生になる来年は日本記録を目指したい」と抱負を語った。

【100mハードル】目標は決勝進出 緑ヶ丘中・増田さん

増田優月さん

 伊賀市からは、女子100メートルハードルに市立緑ヶ丘中3年の増田優月さん(14)が出場する。7月の県大会決勝で2位に入り、参加標準記録を0・11秒上回る14・69秒のタイムで初の全国出場を決めた。

 陸上競技を始めたのは友生小1年の時で、ハードルに挑戦したのは5年から。自己ベストは14・62秒。全国大会への出場は中学1年から目指していた。市役所での出場報告では「目標達成に満足せず、決勝に残りたい」と力強く話した。

2021年8月14日付801号20面から

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