【展示品の一つ「紫宸殿蒔絵硯箱」(重要文化財、江戸時代・17世紀、個人蔵)】

 近世初頭から江戸時代前半の作品を中心に、新興の蒔絵屋と伝統的な蒔絵師という2つの流れを紹介する夏季特別展「蒔絵の時代‐高台寺蒔絵と名工の誕生」が、8月22日まで滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷のMIHO MUSEUM(ミホミュージアム)で開かれている。事前予約制。

 絵や模様を描いて金粉などをまき、固めた後にウルシを塗って安定させ、磨いたり研ぎ出したりして漆器の表面を装飾する技法の蒔絵は、平安時代に日本独自の発達を遂げていたと伝わり、安土桃山時代には武将たちが建物内部の装飾や調度品、食器などに使用し、一世を風靡したという。

 今回の展示では、幸阿弥派・五十嵐派による大名調度品の高蒔絵や、数寄茶人が愛玩したという「嵯峨棗」の名品など、重要文化財5件を含む111件が並ぶ予定。開館は午前10時から午後4時(入館は同3時)まで。月曜休館(8月9日は開館、同10日休館)。入館料は一般1300円、高校・大学生1000円、中学生以下無料。

 感染防止対策として、来館には同ミュージアムのウェブサイト(http://www.miho.jp)からオンラインでの事前申込が必要で、希望日前週の火曜午前10時から受け付ける。予約状況により締め切る場合もある。

 問い合わせは同ミュージアム(0748・82・3411)まで。

2021年7月31日付800号27面から

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