【グランソール奈良の施設外観。円内はグランソール未来医療デザインセンター長の中村光利医師(提供写真)】

 人間の体内にある、損なわれたりダメージを受けたりした体の組織を補完する役割を持った「幹細胞」の働きを用いて、組織・臓器の機能不全や欠損などの回復を図る再生医療の手法の一つに「幹細胞治療」がある。宇陀市菟田野松井の医療機関「グランソール奈良」では今年から、患者の脂肪組織の中にある間葉系幹細胞を用いた、「脳卒中」「動脈硬化」「認知症」の3疾患の治療をスタートさせた。全国でも数少ない「医療機関に併設された」細胞培養加工施設で、将来的により幅広い分野での治療実現を目指している。

「医療機関に併設された」細胞培養加工施設

 同施設では17年前から細胞培養を始めており、質の高い培養が可能なその技術を生かすべく、幹細胞治療の開始に向けた準備が進められてきた。第二種再生医療等提供計画を国に届け出ている医療機関(再生医療等提供機関)は都市部に集中しており、7月現在、奈良県で唯一(三重県内はゼロ)。

細胞培養加工施設内での培養の様子(提供写真)

 グランソール奈良では、幹細胞の中でも特に分化能力が高く、治療に適しているとされる脂肪組織由来の間葉系幹細胞を用いた治療を提供している。そのため、併設の「グランソール奈良細胞培養加工施設」では、独自の技術で培養加工に取り組み、質・安全性ともに高い幹細胞の投与ができるよう努めている。

 問い合わせはグランソール奈良(0745・84・9333、月曜から土曜午前8時30分から午後4時30分)へ。ウェブサイトは( https://grandsoul.co.jp/ )

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