【感謝状を受け取ったセブンイレブン名張蔵持町原出西店の(左から)冨森さん、雅彦さん、新納さん=名張市蔵持町原出で】

 特殊詐欺の被害を未然に防止したとして、三重県警名張署は7月15日、名張市蔵持町原出のセブンイレブン名張蔵持町原出西店の店員と、同市夏見の百五銀行名張支店の行員にそれぞれ感謝状を贈った。

コンビニで架空請求詐欺被害防止

 同署などによると、セブンイレブン名張蔵持町原出西店では、6月27日午前11時50分ごろ、60代男性が3万円分の電子マネーを購入しようと来店。「買い方が分からない。パソコンがウイルスに感染した」などと話したため、対応したアルバイト店員の新納颯起さんが不審に思い、店長の冨森早紀さんに相談。冨森さんが、オーナーで父親の雅彦さんから指示を受けて同署に通報し、署員が駆け付けるまで引き留め、被害を防いだ。

 男性は自宅のノートパソコンでインターネットを利用していたところ、警告と電話番号が画面に表示された。電話すると、ソフトウェア会社のイギリス人を名乗る男が対応。修理代の支払いに使う電子マネーの購入を指示されていた。

 感謝状を受け取った新納さんは「お客さんが被害に遭わなくて本当によかった」と話していた。

銀行で還付金詐欺被害防止

 同署などによると、百五銀行名張支店(林延尚支店長)では同月24日午後1時ごろ、60代女性が来店。「介護保険の還付金を受け取りに来た」などと話し、同支店に在籍しない行員を探していたことから、窓口対応した牟田幸乃さんが不審に思い、支店長代理の永田美由紀さんに報告した。事情を聴いたところ、還付金詐欺の可能性が高いと判断。女性がしようとしていたATM(現金自動受払機)の操作を思いとどまらせ、被害を防いだ。

 感謝状を受け取った永田さんは「身近な所でも特殊詐欺が起きている。地域の金融機関として、一層気を付けていきたい」と話した。

感謝状を受け取った百五銀行名張支店の林支店長(左)と永田さん=名張市夏見で

 樋口弘道署長は「機転を利かせ、被害を未然に防いでくれた。今後も連携を密にしていきたい」と感謝を述べた。

 同署管内では今年1月1日から6月末までの間に特殊詐欺が3件発生し、被害額は計約1981万円。5月中旬には、市内に住む一人暮らしの80代女性が現金1200万円をだまし取られる被害に遭った。

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