【YOU797号で掲載した「18歳成人式に反対」の投稿記事】

 成人式の対象を18歳に変更すると発表した三重県伊賀市。住民と対話する機会を持たず決定したことから、疑問や反発の声が沸き起こっている。現在開会中の市議会6月定例会では、岡本栄市長(69)がYOU797号(6月12日発行)で声欄に掲載した地元女子高生の投稿「18歳成人式に反対」(https://www.iga-younet.co.jp/2021/06/20/40766/)について触れ、「2年経った皆さん方が大人として自らの集いを開いたらいいのでは」と突き放し、当事者の意見をくむ余地はない様子だ。一方、市内では成人式の対象は従来と同じ20歳とするよう求める署名活動が始まっている。

伊賀市が6月7日付で変更後の対象者に郵送した案内はがき(読者提供)

【市】早くも案内はがき郵送 【住民】団体結成し議会請願へ

 民法の改正で2022年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられるのを機に、同市は祝事の対象年齢と開催時期を見直した。初の18歳成人式は23年5月4日の予定で、早くも6月7日付で変更後の対象者に案内はがきを郵送した。

 成人式について、岡本市長は「成人になったのを地域が祝い、新成人は育ててもらった両親や社会に感謝し、大人になった意識を持って社会参画する。その折節だ」と説明。YOUへの投稿を読んだ感想は「『振り袖を着て思い出づくりをしたい。友だちと会うことが楽しみだ。家族も楽しみにしている』と書いてある。そういう側面があるかもしれないが、派生的なもの」と持論を述べ、本来の目的ではないと強調した。

 岡本市長が18歳成人式について初めて公言したのは19年12月の市議会。今定例会で一般質問した西口和成市議(明政クラブ)は意図について「18歳成人式のことを尋ねているのではない。高校生の自発的な発露を市長はどう考えているのか。市民の声に対し、真摯に耳を傾けるのが市長の役割だ」と説いたが、2人のやり取りは終始、かみ合わなかった。

従来と同じ20歳対象の成人式実施を求める市民団体のちらし(同)

 18歳成人式を是としない市民は高校生だけではない。伊賀地域の公立5高校に通う生徒や70代の住民約20人が参加する市民団体「伊賀市の未来を考える勉強会」(竹島義徳代表)は5月29日から市内在住の中学1年生以上を対象に署名活動を開始。2千筆を目標に続けており、来月中には署名簿を添えた要望書を市に提出する予定で、9月定例会には請願書を出すつもりだという。

「対話機会持たず、一方的」

 竹島代表は「成人式は法律による決まりはなく、各自治体の判断で実施している現状について理解している。しかし、これから大人の仲間入りをする若者たちと話す機会を持たず、一方的に変更を通告する進め方はいかがなものか。“大人の先輩”として対話を基に選択や判断をするべきだ」と話す。

2021年6月28日付798号23面から