刑事課長 若林一滋

 今回は、薬物乱用の防止についてお話をします。さて、皆さまは「薬物」と聞いて何を想像しますか。テレビの向こうのことだと思っていませんか。いいえ、決してそのようなことはありません。

 薬物には、覚醒剤、大麻、コカイン、シンナーなどさまざまな種類があり、これらは皆さまのごく身近なところに迫ってきています。事実、三重県警でも昨年1年間で115人の薬物事犯を検挙していますし、今年に入って名張署でも覚醒剤の使用者を検挙しています。

 薬物を乱用するとどのようになるのでしょう。薬物乱用の弊害について説明しますと▼精神への有害性(意識障害、幻覚、妄想および常軌を逸した行動や半狂乱の状態に陥ることがある)▼身体への有害性(血圧上昇、脳血管疾病、心疾患、肝機能障害などの発症)▼依存性・耐性(薬物なしではいられなくなり、次第に薬物に慣れ、どんどん強い刺激を求めること)などがあります。

 また、薬物乱用が社会に与える影響としては、薬理作用から幻覚、妄想などの精神障害に陥り、殺人、強盗、放火などの凶悪犯罪や重大な交通事故を引き起こすことがあります。更に薬物の密売が反社会的勢力などの犯罪組織の資金源になるなど、薬物乱用は社会の安全を脅かす重大な問題です。

 薬物を乱用するきっかけは、友だちや先輩など身近な人からの誘いやインターネットからの情報などで、「簡単にダイエットできる」「イライラがとれて、すっきりする」「1回くらい大丈夫、みんなやっている」などの常套句に、危険性を認識しないまま乱用してしまうことも多いようです。薬物の誘惑に負けないためには、「正しい知識をもつこと」「はっきりと断る勇気をもつこと」「自分自身でよく考え、しっかり判断すること」が大切です。

 さて、三重県では6月1日から7月31日までの間、薬物乱用防止活動期間を設け「薬物乱用のない社会」を目指しています。皆さまにおかれましては、ご家族、職場の同僚、友人などと薬物乱用の恐ろしさについて話す機会を設け、薬物乱用のない社会づくりを目指してください。

 違法薬物に関する相談や情報は▼名張署(0595・62・0110)▼伊賀署(0595・21・0110)▼警察安全相談電話♯9110または(059・224・9110)までお願いします。

2021年6月12日付797号22面から