【志摩マリンランドから日本サンショウウオセンターに移り水槽の中を泳ぐオオサンショウウオ=名張市赤目町長坂で】

 三重県名張市の赤目四十八滝渓谷入り口にある日本サンショウウオセンター(赤目町長坂)に6月13日、3月末で営業を休止した水族館「志摩マリンランド」(志摩市)で飼育されていた国の特別天然記念物・オオサンショウウオ3匹が到着した。身体測定の後、2階の水槽に移され、一般公開が始まった。 〈YouTubeで動画を見る(https://youtu.be/XPkn4GBurCY)〉

 3匹はいずれも雄で、伊賀市の川上ダムの一時保護池で2002年と03年に誕生した。日本固有種とされているが、自然界に放すことが適さないとの判断から、16年以降は志摩マリンランドで飼育されていた。今年1月、同センターに譲渡の打診があり、文化庁への申請手続きを経て今回、“引っ越し”することとなった。

 この日は同センター飼育担当の世良仁さん(31)らが車で片道約2時間30分かけて3匹を迎えにいった。センターに到着後、環境省登録の環境カウンセラーで市職員の川内彬宏さん(35)が全長や体重、体の状態などを確認。全長97センチの個体が最大だった。

 同センターの2階には10年ほど使われていなかった展示用水槽があったが、今回の受け入れを機に使用を再開。3匹は順番に水槽に移され、“新居”の中を元気そうに動き回っていた。

 世良さんは「マリンランドの担当者から『信頼しています』と3匹を託された。水が変わるので、注意深く観察していきたい。今後は成長の過程がわかるような展示ができたら」と話していた。

 同センターでは、非展示を含め約50匹のオオサンショウウオを飼育しており、展示個体は今回の受け入れで13匹となった。同じ保護池で生まれた個体は計6匹となった。

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