【和工芸の作品を紹介する大地さん=名張市さつき台で】

 「ひもをより合わせると、最初に考えていた配色よりずっといい色合いになることもあって楽しい」。三重県名張市さつき台の大地孝枝さん(69)が丹念に作る、組みひもなどを使った和の工芸品が評判を呼んでいる。

 20、30代のころに和裁や洋裁などを習い、50代からは伊賀市内の組みひも店に12年勤め、仕事を通してさまざまな工芸と出会ってきた。退職した3年前からは、伝統的なひも結びを使った和の作品を中心に、オリジナルで本格的に作るようになった。

 絹糸や化繊糸の色番号を選び、自分でより合わせたり、時には組みひも店に発注して作ってもらったりし、眼鏡ホルダーやブレスレット、ストラップ、帯飾り、和装の髪留め、名刺入れなど50種類ほどの作品ができるという。

「コロナ禍が終われば教室も」

 3年ほど前、腕試しにと手づくり市に出店したところ、その繊細な作り方が評判に。少しずつファンも増え、手づくり作家たちが集まる市内外のイベントに出展するようになった。「コロナ禍が終われば教室も開きたい」と考えているそうだ。

 6月5、6日には、伊賀市内で開かれるクラフトイベント「極伊」に出展予定。「ひと枝のアジサイを赤いひもで結わえた、厄除けにもなる新作の『花守り』も持って行く予定なので、ぜひ立ち寄って」と話した。

2021年5月29日付796号3面から

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