【展示作品を紹介する惠村さん=伊賀市出後で】

 「記憶の中の懐かしい風景」をコンセプトに木の彫刻を作り続けて半世紀。三重県伊賀市出後の彫刻家、惠村正大さん(66)の個展「‐木魂‐彫刻家惠村正大展」が、5月22日から30日まで、同市上野丸之内のギャラリー是空で開かれる。時間は午前11時から午後6時まで。入場無料。

 大工だった父親の影響で、小学生のころからかんながけを教わるなど、木と接する時間が長かった。高校生の時に本格的な木工作品の創作を始め、愛知教育大学を卒業後は、上野工業高(現・伊賀白鳳高)のインテリア科・工芸デザイン科で教諭として勤務。今年3月までの43年間、木工の魅力を伝えてきた。

 地元伊賀地域での個展は2回目。これまでは名古屋市を中心に展覧会を開き、風や植物など「自然との共生」をテーマにした作品を数多く手掛けてきた。

2メートル超す大作も

 今回は、昨年7月から制作を始めた「上履きシリーズ」をメインに、ケヤキやカヤを使った平面作品など大小66点を展示予定。キリを彫って作る上履きは、削り跡をわざと残すことで「細かい靴のしわや汚れが表現できる」という。また、「里山 2020年の記憶」は、靴と下駄箱がセットになった、高さ2メートルを超す大作だ。

 惠村さんは「作品に触れて、貧しくても豊かだった昔の生活を思い出してもらえれば」とほほ笑んだ。

 問い合わせは同ギャラリー(0595・21・8818)まで。

2021年5月15日付795号6面から

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