【遍路装束を着て稽古するなかおさん=伊賀市で】

 市民演劇グループ「劇団上野市民劇場」の創立70周年記念公演「花いちもんめ」が4月24、25日に三重県伊賀市大谷の前田教育会館蕉門ホールで開かれる。記念公演第1弾となる今回は、満州開拓団の悲劇を、劇団員のなかおみみこさんが一人芝居で演じる。

 上野高校演劇部のOBが集まり結成した前身団体から発展的にできた同劇団は、今年で70周年を迎える。代表の杉森正美さん(86)は創設時のメンバーで、「アマチュアで70年続いている劇団はなかなかないのでは」と語る。

 定期公演は年2回だが、一人芝居は珍しいという。今回の題材は、演出の福北辨さん(83)が30年前に見た舞台で感動したもので、昨年は新型コロナの影響で活動できなかったこともあり、「ぜひこのタイミングでやりたい」と考えていたそうだ。杉森さんは「なかおさんが演じる、母親としての姿と、お遍路の姿の表現を見てほしい」と話す。

 福北さんは「現在は団員数が少なく、舞台に関わる仕事を1人で何役もこなさなければならないのは大変だが、お客さんの励ましや期待がエネルギーになる」と語り、「こういう時期だからこそ、生の舞台を見て感動を共有してもらえたら」と来場を呼び掛けた。

 開演は24日が午後6時30分、25日は同2時。チケットは大人2000円、高校生以下500円。当日は各300円増し。

 問い合わせは福北さん(090・7697・8590)まで。

2021年4月24日付794号19面から

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