【お経を唱える南澤貫首ら=伊賀市上野徳居町で】

 三重県伊賀市上野徳居町の広禅寺で4月10日、開山した「快翁玄俊大和尚」の600回忌があった。檀家や地元住民ら約120人が参列し、改修した本堂で法要が営まれた。

 同寺は、1414年に津市に建立されたとされる。1560年ごろに織田信長の侵略により焼失し、一度は伊賀市川北(大山田地区)に避難したものの、天正伊賀の乱で再び侵略を受け、江戸時代に現在の地に移った。

 約200年前に建てられた本堂は、檀家や信者たちの協力で再建されたもので、老朽化により3年ほど前から改修工事を進めていた。

 この日は、茶などのお供え物が捧げられ、曹洞宗の大本山永平寺(福井県)の南澤道人貫首(93)がお経を読み上げた。その後、世話人など参列者らが順番に焼香を上げた。

 南澤貫首は「地域の皆さんとともに、伝統文化を受け継いでいかれることを心からお祈り申し上げます」と述べ、武内宏道住職(58)は「立派な本堂が建って、法要も無事終えることができた。仏教離れが深刻化しているなか、皆さんにもっと参拝してもらいたい」と話した。

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