【油彩画の作品を手にする古川さん=名張市すずらん台東1番町で】

 「いつも散歩している地元の自然を絵にしたい」との思いで、自宅の周辺や故郷・吉野の景色を油彩で描いている、三重県名張市すずらん台東1番町の古川武志さん(81)。「自分なりに『これでいい』と満足できた時が一番楽しい」といい、キャンバスと向き合うことが日々の原動力になっている。

 12年前から、地区市民センターの絵画サークル「ミューズ」に5年間通い、講師から油絵の手ほどきを受けた。その後は自宅アトリエで制作に励み、個人では市美術展や市民センター祭りに、また、市老人クラブ連合会の「趣味の作品展」には地元のクラブ「親睦すずらん」の一員としても出品している。

 身の回りでは滝之原の景色や、すずらん台から見た名張の風景、吉野では子どものころ遊び回った山や川、あちこちの小道などが好みだそうで、時には自画像も描く。題材を決める過程が最も悩ましいそうだが、いざ決まって没頭すると「時間を忘れて描いてしまう」という。絵筆だけでなく、時にはペインティングナイフなどの道具も使い、30号から50号のサイズを中心に、年3、4枚ほど仕上げている。

 2016年には県老人クラブ連合会の作品展で最優秀賞を獲得し、秋田県で開かれた全国展にも作品が送られた。その後も精力的に描き、出品を続けている古川さんは「他の作家さんの作品を鑑賞して学びつつ、これからも楽しんで挑戦を続けたい」と語った。

2021年3月27日付792号2面から

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